ただでは死なん。

こんなタイトルですが社会に恨みはありません。

職業訓練に通い始めて、人生がまた進みだした

僕は2018年5月下旬から職業訓練に通っています。この記事の時点で3週間ほどが経ちました。

職業訓練ってどうなの?」って聞かれることがちょくちょくあったので、3週間通ってみた感想などを書いてみることにしました。

少し長いですが興味がある方は読んでみて下さい。職業訓練についてある程度知っている方は1.2.は読み飛ばしてもらって大丈夫です。

 

 1.職業訓練とは

国からお金を貰いながら(or失業保険を延長しながら)、民間のスクールで勉強をさせて頂ける制度です。就職する意思があり、さぼらずに勉強を続けられる人は基本的に受けることができます。授業料もほとんどが無料です。

※他にも様々な条件がありますが、ハローワークのページをしっかり見るのが確実です。この記事ではなるべくわかりやすいメリット・デメリットに絞って書いてます

訓練の種類は大きく2つあります。

①公共職業訓練(離職者訓練)

雇用保険(失業保険)受給中の人が対象。国や各都道府県が主催しているコースの他、民間主催のコースもあります。

 

②求職者支援訓練

雇用保険を受給できない人(終わった人も含む)が対象。民間が主催しているコースに通います。

 

 僕が通っているのは②求職者支援訓練です。「雇用保険を受給できない求職者の方が職業訓練によるスキルアップを通じて早期の就職を目指すための制度」と謳われるように、お金が無いけど勉強して就職したい!異業種にチャレンジしたい!って方へ向けた訓練です。

 詳しくは厚生労働省のページを見て下さい。

www.mhlw.go.jp

 

2.どんな勉強ができるか

 僕が行っているWebサイト制作・Webデザインの他、宅建、プログラミング、CAD等…たくさん種類があります。

 

 講座はネット上で調べることはできます。が、実際に開校していなければ通えません。実際にどの講座を取るかは、ハローワークで担当者に相談したり、受講者募集のチラシを見るのが一番確実です。

 

3.通い始めた理由(メリット)

独学に限界を感じた 

 再就職先として当初エンジニアを検討していた僕は、退職後に自分で参考書を買い勉強していたのですが、全然続きませんでした

 

 正直、本当に限界でした。退職してお金も夢も希望もない状態で、まともに勉強ができるわけなかったですね。

 

 また、質問相手がいない、困った時に頼れる人がいないのも効率が悪いです。口頭で聞けず、いつ回答が返ってくるかわからない質問サイトは全くの初心者には中々使いづらいです。モチベーション維持が難しくなりがちですね。

 

 訓練校はプロの先生がいるのでその点は大丈夫です。

 

社会復帰の為のリハビリ

 僕は精神的に限界を迎えて会社を辞めました。退職後は家に引きこもり、買い物以外で全く外に出なくなりました。頭が全く働かず、酷かった時は本どころかメールさえまともに読めませんでした。(冗談抜きで字がぐにゃぐにゃ歪んだり、ぼやけたりしました)そんな状態で働けるわけないですね。

 

 訓練校では頭を使いますし、時間もフルタイムの労働ほど長くないのでリハビリにはちょうど良いです。

※講義時間については、僕が通っている講座は朝から3時頃までです。講座によっては夜の部もあるようです。

 

月10万円の給付金(求職者支援訓練のみ)

雇用保険が受けられる人は、訓練中は支給期間を延長してもらうことができるようです。

 正直これはめちゃくちゃデカいです。お金が貰えて、リハビリもできるなんて夢のような制度ですね!

ただし貰うには世帯収入や資産等の条件があります。僕のように、一人暮らし・無収入・資産ほぼなし、みたいな方ならまず大丈夫です。詳しくは厚生労働省のページを見て下さい。

www.mhlw.go.jp

 もし条件を満たしていない場合でも、ハローワークで相談してみて下さい。「困っている人の為の制度」なので、条件外でも適用となることがあります。僕の場合、昨年度の収入が基準を超えていて本来は条件外だったのですが、現在は無職・無収入である旨を相談したところ申請が通りました。ハローワーク様様です…。

 

4.通ってみた感想(思わぬメリット)

 結論から言うと、「通い始めて良かった」です。おススメです。受けてみて改めて気付いたことが沢山ありました。

職業訓練を侮っていた

 訓練通う前は、ネットの前評判等を見ていて、「たかが職業訓練」「お金を貰いながら就活したらいいかな」と正直あまり期待していませんでした。

 通っていて思うのは、勉強は思ったより大変(適当にやってると死ぬ)ということと、学べることは思ったよりはるかに多いということです。

 

 今教えてくれている先生は最初期の頃からコンピューターを使ったデザインを行っている方で、今もWebデザイナーとして活躍されている経験豊富な方でした。授業もわかりやすく、デザイナーとして働く上での厳しい現実も教えて下さる非常に熱心な方です。「デザインの方法」に留まらず、「デザイナーとしての働き方」まで教えて貰っています。

 

 かつての僕と同じように、「職業訓練に興味はあるけど、実際大した事無いんでしょ?」と感じてる方は是非見学に行ってみて下さい。

 

教室見学はすべき

 やはり、講座や講師によって「当たり外れ」「合う・合わない」があるのは確かなようです。僕の通っている講座は、民間の専門学校(教えるプロ)がやっている講座ですが、Googleの口コミはなんと★1.0でした

 それでも今は、通ってよかったと感じているので、やはりまずは見学して、自分の目で合う合わないを判断することをお勧めします。

 各講座は、受講申込みの前に教室見学を受け付けています。チラシに連絡先が載っているのでそこから連絡して申し込んでください。

 見学の際には、授業風景をそのまま見ることができます。

 

 人と話す機会が圧倒的に増える

 大学卒業後上京して、就職して半年ほどで会社を去った僕には友達はほとんど残されていませんでした。半年ほど引きこもっていると、まともに会話ができなくなります(言葉に詰まることが増え、順序良く話すことができなくなった)。

 

 訓練校は若い人から中年くらいの方まで、色んな年齢層の方が通っています(僕のところは一番若い方で22歳でした)。

 

 勉強中はわからないことが多いので、他の人と教え合ったりして話す機会が増えます。他人と協力して課題を解決していく、という意味では仕事に通じる部分があるかもしれませんね。

 

 

訓練校のパソコンのスペックが低い!教室が狭い!

 僕が通っている教室のPCはメモリが4GBしかなく、イラストレーターを立ち上げるのにめちゃくちゃ時間がかかります。パソコンを使う訓練校なのに、パソコンがショボくてどうすんねん!と思いました。

 

 やはり職業訓練校というだけあって、あまり設備にコストがかけられないのでしょうか。教室も狭かったりするところが多いです。 

 

 でも、「自宅のハイスペックPCで作業している自分」と「訓練校の低スぺックPCで作業している自分」を比べると、後者の方が圧倒的に質の高い作品を作ることができています。

 

 要は集中力の問題でした。家だと誘惑が多くだらだら怠けてしまいがちだったのが、訓練校だと緊張感を持って取り組めているだけです。勉強する以上はパソコンやテキストに集中して向き合わないといけない訳ですから、教室の広さなんかも関係ないですね。

 

 そして、わかりやすく教えてくれて、かつ困った時に何でも聞ける先生がいることはめちゃくちゃ重要です(しかも無料)。パソコンのスペック差なんか問題にならないレベルで大事です。

 

 勉強はやはり大変

 Webデザインはやってみたいと思っていたけれども、想像よりずっと勉強量が多いなと感じました。勉強量が多い=知らないことが多いということですから、素人の自分にとっては当たり前の話ですね。

 

 職業訓練の口コミを見ると、授業内容に関するものが多く見られます。授業について「教科書を読んでるだけ」みたいな内容のコメントもいくつか見かけました。正直、授業の内容より、自分の自習の質に全てがかかってると思います。高校や大学受験の予備校でも同じで、授業を受けてて勝手に成績が伸びる訳がないですよね。それと同じで、自分が分からないことを自分で潰していくこと(自習)が大事です。

 

 何も知らない素人がプロを目指す為の訓練校ですから、Web制作に限らず、どの講座も勉強量はそれなりに必要になるかと思います。興味がない人にとってはどれも苦痛だと思います。せっかく通い始めたのに嫌々勉強するのは勿体無いです。なので通う場合は絶対に興味があるものを選んで下さいね

  

 5.余談(自分語り)

職業訓練は、勉強の「姿勢」を身に着ける最後のチャンス

 先生は聞けば何でも答えてくれますし、授業内外で沢山のことを教えてくれます。しかし実際に就職すれば、何でも手取り足取り教えてくれるような人はいなくなるでしょう。自分で勉強してスキルを伸ばすしかありません

 

 僕は学生時代から、何となく難しそうな試験に興味を持っては、辛くなってすぐ投げ出す生活を送ってきました。受験勉強さえ、ギリギリになって焦ってやり始めて、第一志望はとても届かないからギリギリ受かりそうな第二志望にチェンジ。そして受かったらおしまい。そのあとは燃え尽きたように怠け倒しました。典型的な「落ちこぼれ」です。

 

 僕は「日々コツコツ知識を増やす」「分からないことについてじっくり考える」「分からなければ、文献に当たったり、詳しい人に聞いて調べる」こうした一切の努力から逃げ続けていました。結局、そんな自分を変えられぬまま大学を卒業してしまいます。結果はお察しの通り。一方で、かつての同級生にはめちゃくちゃ勉強して弁護士になった奴もいて、今は立派に働いています。自分が怠けたツケは、そのまま「何もしなかった自分」として返ってきます。

 こんな怠け者が就職して、スキルを伸ばし続けられる訳がないですね。職業訓練の場は、成長しない、惨めな怠け者の自分を変える最後のチャンスだと思っています。

 

  大学卒業して今更こんなことを言ってる自分が恥ずかしくて仕方ありませんが、「勉強する習慣をつける」「できないことを少しずつできるようにする」「やってみたい仕事にチャレンジする」これらに取り組み始めてから、少しずつ前向きに頑張ることができています。記事タイトルにはそんな思いを込めました。

 

就職できた後も楽しく働けるように頑張ります。

 

 

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