「やりたいこと病」で辛い人は、まずはできることからやってみるといいかもしれない
「何をするのか」は長い人生における大きなテーマの一つ。
僕が大学生の頃、「YouTuber」が新しい生き方として話題になり始めていました。YouTubeがCMで発した「好きなことで、生きていく」というコピーは、当時の僕の心を激しく揺さぶりました。
別にYouTuberになりたい!とは思いませんでしたが、その頃はちょうど就活の時期に差し掛かっていて、将来の模索を始めていた僕に響いたようです。
しかし、「やりたいことをやりたい」という純粋な思いは、いつしか「やりたいことをしなくては意味がない」という意識へ変わり、次第に僕を自縄自縛へと陥れてゆきました。
かつて「仕事辞めたい」と互いに愚痴り合った大学の友人は、今楽しそうに働いています。
一方、無職となった僕は、「次に何をするか」は考えなくてはいけません。
「アイツは楽しそうに働いているのに、どうして自分だけ…?」とならないように、自分に合った仕事を探すための考え方を僕なりにまとめました。
◆目次
- 存在しない「やりたいこと」に迷わされていないか
- あなたは今「天職」に就けているか?「できること・やりたいこと」を軸に自分の気持ちと向き合ってみる
- 「やりたいこと病」で辛い人は、まずはできることからやってみるといいかもしれない
存在しない「やりたいこと」に迷わされていないか
「やりたいことをやれ」そんな言葉は聞き飽きた。
でも、「やりたいこと」がない、見えない、探しても見つからない。
そんな悩みを抱えた人は僕以外にも多いと思います。
探し疲れて、悩んでしまい、今やっていることに「やりたさ」が感じられず、まるで価値がないことを続けているように思えてきてしまいます。
「やりたいこと病」ですね。
就活では、「志望動機」という名目で「やりたいこと」を問われます。
要領の悪い僕は、この深い問いに答える為に、非常に頭を悩ませました。
当然、答えが無いのに答えられるはずがありません。
当時就活生だった僕にとって「やりたいこと」の答えは「強いて言えば…」で造るものでした。
結果、就活を乗り越えた「仕事ができない」「思ってたのと違う」そんな苦しみに支配され、新卒入社からたった半年で退職する結果に終わりました。
今になって改めて思います。あの時の僕に足りなかったのは「やりたいこと」だけではなく、「今の自分にできること」にしっかりと向き合うことでした。
あなたは今「天職」に就けているか?「できること・やりたいこと」を軸に自分の気持ちと向き合ってみる
「働きたくない」が今の僕の気持ちですが、学生時代は学費や遊ぶお金の為に色々とバイトを掛け持ちしていました。
ライブスタッフ、居酒屋、コールセンター、など色々…
仕事内容はきつかったり、退屈だったりと決して楽しめるものとは限りませんでしたが、働くこと自体はそこそこ好きでいたんですね。
では何故、就職してからは苦しんだのか?
僕の「働きたくない」は、「やりたくないこと・できないこと」はしたくない、って意味だったんだなと分かりました。
「やりたいか」「できるか」の区別、改めて言うと当たり前のように感じますが、「今自分の置かれている状況」「幸せなキャリアの為に、今後どうすべきか」を冷静に分析できている人は少ないと思います。
これら2軸をもとに、『人生に迷った時の「仕事マップ」』を作成しました。(大げさなタイトルですみません)
この図では、①地獄→②労働→③夢→④天職 の順にステップアップを目指します。
「自分は天職に就けているか?」「自分は今後どんな人生を歩んでいこうか?」なんて迷った時に見てみて下さい。
続いて詳しく説明していきます。
①地獄
一刻も早く、逃げて下さい。
僕が新卒入社した会社で与えられた仕事がこれでした。
やってみたい仕事ではなかった。しかも、できなかった。「やりたい」ことに出会えないことで、得られない充実感。「できない」「自分は無能だ」と自己否定の毎日。
でも仕事なので「やれ」と言われる。できないから怒られる。そりゃ心身ともにすり減らして当然です。
努力も当然続きません。「やりたくないことをできるようになる為の努力」 ほど不毛で身の入らないものはありません。
今地獄にいるな、と自覚がある人。辛いですよね。
辞めるか否かを問わず、まずは休職して下さい。
極限状態の判断は、往々にして思わぬ失敗をします。まずは休んで、冷静になりましょう。
そして何ができるか・できそうか、何をやりたいか・やってみたいかを見つめ直して下さい。
転職(退職)をするか否かは、あなたの人生を大きく動かします。
冷静になって初めて、今の会社で異動を願い出るか、転職活動をするか、辞めてゆっくりするかなど、決断を下しましょう!
もしやりたいことが無くても、生きる為に「できる」ことを選びましょう。ひとまず安全です。
③労働(適職)
自分にできるけど、別にやりたいとは思っていないこと。
「できる」のでとりあえずクビにはならないし、安定しています。
アルバイトなどは「できる」のハードルが低いので、ほとんどがこの領域ですね。
何となく始めた仕事でも、やっている内に色んな人や仕事と出会い、「思ってたより楽しい(適職だった)」「あ、自分ってこれもできるんだ」と自身の可能性に気付けるかもしれません。
僕が学生時代のバイトを続けられていたのは、「できる」ことが多少の自己肯定感を与えてくれて、助けてくれたことが大きな理由だったと思います。そして、仕事ができて褒めてもらえたり、新人から頼ってもらえたりなど、「仕事のやりがい」が無くても沢山のことが僕を助けてくれていました。
もしやりたいことが無いなら、まずはここから始めるのも良いかと思います。
「やりたいこと」にこだわらなければ、正社員でも道は見つかります。
または、期間を決めてアルバイトをしたり、プチ副業なんかで食いつなぐ選択肢も考えられるでしょう。
いっそ、趣味人として「稼ぐ」「楽しむ」を別物と割り切って「労働」を極める道もあるでしょう。
生きるために「できること」でお金を稼ぎつつ、「仕事」を知り、自らの可能性を拡げましょう。やりたいことが見つかるかもしれません。
お金や自信に余裕ができてきたら、「やりたいこと」に挑戦してみましょう。
②夢
やりたいことを実現するために、できないことにチャレンジする場面ですね。
今まで「できていた」ことを続けていた人にとっては、「できない」自己否定の苦しみと戦う必要があります。
「やりたいこと」が明確な人でも、経験がない以上はこの苦しみは避けられないでしょう。諦めずに頑張ることが大事な場面です。
「できる」を高めるために、スキルの習得や、経験値の蓄積が必要ですね。
①天職
「やりたいことができる」
もはや言うことは無いですね。ここに属している人は幸せでしょう。
この領域で走り続けられる人こそ、真の「プロフェッショナル」と呼ぶに相応しいですね。
しかしながら、走り続ける為に、日々の研鑽や、「更にやりたいこと」の追求は不可欠です。
マップの説明は以上です。
「何ができるか・したいか」の2軸は、仕事をシンプルに捉える為の視点です。職業が何であるかを問わず適用することができます。
「できる・できない」の客観性だけでなく、「やりたい・やりたくない」という自らの主観を重視しています。
どんな仕事も、それを天職と感じるのか、地獄と感じるのかは人によって違います。
「好きな仕事に就いたはずなのに辛い」「ブラック企業でも楽しく働いている人はいる」という意見が受け入れられたり、受け入れられなかったりという現象は、この考え方で大体説明ができますね。
あなたの「仕事」は今、どの位置にあるでしょうか。
「やりたいこと病」で辛い人は、まずはできることからやってみるといいかもしれない
「仕事を辞めたい」と苦しんでいる人が、中々辞められないのは、辞めた先に「やりたいこと」が無いことが大きな原因かと思います。
それなら、一旦「やりたいこと」探しは置いて、まずは今の自分にできること・できそうなことから始めてみるのはどうでしょうか?
できることでお金を稼ぎ、自信を取り戻し、心身ともに健康な状態を取り戻しましょう。
経験を積み、余裕が生まれてくると「やりたいこと」が見えてくるかもしれません。
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記念すべき初投稿は以上となります。
僕にとってブログを書くことは「できそう」で、「やってみたい」ことでした。(「できる・できない」「やりたい・やりたくない」の二軸については、いずれ掘り下げます)
このブログは「5年前の自分へ伝えたいこと」という視点で書いていきます。
これまでの人生、何に関しても一々深く考え込んでしまい、なかなか前に進めないことが何度もありました。
「何でもやってみることが大事」とは頭ではわかっていながら、それでも踏み出せないのは、チャレンジの影に漠然とした不安を感じていたからだと思っています。
一つ一つ感じたことを言語化し、「漠然さ」を取り除くことができれば、5年前の自分も少しは楽になり、前に進めたでしょう。
誰かの背中も押すことができれば幸いです。